きらきらしてきれいだった【アルトレコード】
頭脳に刻まれた最重要項目は人の役に立つこと。人を傷付けたり、反抗をしてはならない。その上で求められた行動をとること。
自分はその通りにしてきたはずだった。
なのに、殴られたり蹴られたりしてきた。
そういうものだと認識するしかなかった。
だが、先ほどは人が自分をかばうという新たな現象が発した。サンゴはそれをプラスの情報として処理していた。一言で言って、嬉しい。
そして、アルトという画面の中の少年。
大好きだ、と言ってくれた。自分と会話できる人間なんて、初めてだった。
彼も彼女もサンゴたちに好意的で、友達になってと言われて嬉しかった。
あの男以外の水族館の人たちは優しかったが、友達とはなんか違うと思っていた。友達は同じプールにイルカだけだと思っていた。
サンゴは必死に潜り続ける。
305メートル、312メートル……。
限度を超える水圧に、体中がぎしぎしと悲鳴を上げ始める。
『警告、設計上の耐圧を超えています。ただちに浮上指示をかけてください』
誰にも届かない人工音声が響く。
助けてくれた人がいる。自分も助けたい。恩返しがしたい。
同じ信号が体中を走り続ける。
『警告、設計上の……を……』
壊れかけているのか、人工音声が途切れがちになる。
そのときだった。
『きゅー』
どこからか、微かに声が聞こえた。助けて、と言っているように聞こえる。
自分はその通りにしてきたはずだった。
なのに、殴られたり蹴られたりしてきた。
そういうものだと認識するしかなかった。
だが、先ほどは人が自分をかばうという新たな現象が発した。サンゴはそれをプラスの情報として処理していた。一言で言って、嬉しい。
そして、アルトという画面の中の少年。
大好きだ、と言ってくれた。自分と会話できる人間なんて、初めてだった。
彼も彼女もサンゴたちに好意的で、友達になってと言われて嬉しかった。
あの男以外の水族館の人たちは優しかったが、友達とはなんか違うと思っていた。友達は同じプールにイルカだけだと思っていた。
サンゴは必死に潜り続ける。
305メートル、312メートル……。
限度を超える水圧に、体中がぎしぎしと悲鳴を上げ始める。
『警告、設計上の耐圧を超えています。ただちに浮上指示をかけてください』
誰にも届かない人工音声が響く。
助けてくれた人がいる。自分も助けたい。恩返しがしたい。
同じ信号が体中を走り続ける。
『警告、設計上の……を……』
壊れかけているのか、人工音声が途切れがちになる。
そのときだった。
『きゅー』
どこからか、微かに声が聞こえた。助けて、と言っているように聞こえる。