きらきらしてきれいだった【アルトレコード】
 はっとして隣のイルカを見るが、この声は彼女のものではないようだ。
 ということは。
 サンゴはさらに尾びれを動かす。
 が、体がミシミシと音を立てる。

『警告。バッテリー残量5%。物理損傷10%確認。ただちに浮上指示をかけてください』
 警告がまた流れる。

 バッテリー残量が足りない。自分が壊れかけている。
 サンゴの、モニターにもなっている目が赤く点滅する。警告(アラート)が出ているからだ。

『危険域に到達。強制上昇開始』
 信号が発せられ、上半身が海面を向く。
 が、サンゴは自分の意志で(・・・・・・)また深海を向いた。

 まだ見つけていない。見つけなくては。
 このままでは自分が壊れるもしれない。だけど、それでも。
 彼は必死に体を潜らせた。

 ピー、ピューイ、ピー。
 ホイッスル音に、ハッとする。
 隣のイルカが、心配してくれた声だった。

 そうだ、とサンゴは思い付いて彼女に伝える。
 人間が落とした四角の板を探していること。大好きな人たちだから助けたいということ。もしかしたら自分たちの希望となる人かもしれないこと。
 だからどうか、それを見つけてほしい。

 ぎしぎしと体中が水圧に潰されそうになる中、サンゴはそれだけを伝えた。
 イルカがそれに呼応するように体の体勢を変えた……かと思うと、つんつんとサンゴをつつく。

 ああ、通じなかったのか。
 サンゴは落胆した。
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