きらきらしてきれいだった【アルトレコード】
 アルトは迷う。
 先生が無事なら、救出の手段を模索しているはず。
 無闇とバッテリーを消費するのは得策ではない。

 ならば、どの程度の間隔で鳴らすべきか? 5分? 10分? それとも1時間?
 考えたすえ、15分間隔で試すことにした。バッテリー残量が60%になったら30分間隔にして、40%になったら一時間間隔にして、残り15%になったらスリープにして待つ。そう決めた。

 先生が無事なら、絶対に探してくれているはず。それに、北斗だって。
 どうか先生が無事で、助けに来てくれますように……。
 願いながら、アルトは断続的なスリープモードに入った。

 海底の波に押され、アルトの入った端末は徐々に移動する。少しずつ、少しずつ、ゆっくりと。
 その先には、深い深い渓谷が口を開いて待ち構えていた。

***

 仲間が呼んでいる。
 そう思ったイルカは、うきうきと駆けつけた。群れの仲間だと、最初はそう思った。
 が、そこにいるのは群れの仲間ではなかった。一頭だけで、ひょろっとした生き物によりそっている。それを庇っているから、彼の大切な存在なのかもしれないと思った。

 誰か、という問いに、サンゴだ、と返って来た。
 先ほど一緒にジャンプを楽しんだイルカだ、と彼女は気が付いた。先ほどは四頭いたのに、いまは一頭だけだ。

 しばらくして、彼は急に深く潜り始めた。なにをするんだろう、とついていく。
 海底でなにか探す素振りを見せたあと、急に浮上するから、そういう遊びなのかと思った。
 何度かして、彼の動きが急にぎこちなくなった。
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