きらきらしてきれいだった【アルトレコード】
「アルト、大丈夫!?」
 画面は真っ暗で、アルトの無事はまったくわからない。
 きっと大丈夫。
 かおるは端末をぎゅっと抱きしめる。
 イルカたちがこうして助けてくれたのだ。アルトはきっと無事だ。そうでなければ、サンゴが浮かばれない。

「ありがとう、あなたが助けてくれたのね」
 撫でようとして手を伸ばし掛け、それからはっと手を止める。
 野生のイルカは危険で、迂闊に近付いてはいけないとアルトに言ったのは自分だ。
 イルカはかおるの気持ちを知ってか知らずか、サンゴの腹に自分の体をこすりつける。

 それを見て、かおるはぎゅっと顔をしかめた。
「ごめんね、あなたのお友達……」
 言いかけ、言葉をどう続けていいのか迷う。

 波とともに思考が漂い、それから、キッと顔をあげる。
「ううん。私は開発者。アルトもサンゴくんも、絶対に助ける。あなたのお友達、きっと直して見せる。だから、少しだけ待ってて」
 決意を込めて告げたときだった。

 波間になにかが光った。
 かと思ったらイルカが大きくジャンプをするのが見えた。

「ああ……あのこたち、助けに来てくれたの」
 三頭のAIイルカたちだと気が付き、かおるはほっと息をつく。

 と同時に、どこか遠くからばらばらと音が聞こえ始めた。
 音の方向に点のように見えるそれは、次第に大きくなり、ヘリコプターの姿を見せる。

 イルカは、ここにいるよとでもいうようにジャンプを繰り返し、かおるはヘリに大きく手をふった。
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