婚約破棄されたので王妃目指します
その手のひらに愛情が込められているのが見て取れた。

二人は見つめ合い、まるで私が存在しないかのように、世界が二人のものだけで満たされているように感じた。

「でも、公爵家が一般女性となんて!」

私は叫ばずにはいられなかった。

心の中で何かが崩れ落ちていく音がした。

自分が積み上げてきた全てが、無駄だったような気がした。

「一般人じゃない。聖女だよ。」

セオドリックの言葉が、私の胸を締めつけた。

「アリシアは、ただの聖女じゃない。彼女は人々に光をもたらす存在だ。」

セオドリックは目を輝かせ、アリシアに向かって言った。

彼はもう、完全に彼女に夢中だった。

私は立ち尽くすしかなかった。

全てが裏切りに変わった瞬間だった。
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