プリンセスティティンの宝石たちにおねがい!
 夏の、まぶしいビジュー王国。
 庭のひまわり畑にさしたビーチパラソルのした、ピクニックシートにすわり、ティティンはひとり、空を見あげていました。
「わたしに、なにかできることはないのかな……」
「ティティンさま。どうされました?」
 ピクニックシートの上を、黒いうさぎが、とことこと歩いてきました。
 この子のなまえは、ルナ。
 ビジュー王国のお城にすみついている、うさぎです。
 ティティンは、ルナの目せんにあわせて、こたえます。
「ルナ。わたしに、なにかできることはないかとおもって……」
 すると、ルナは鼻をふんふんとならして、うなずきます。
「ティティンさま。あなたには、宝石言葉の魔法があるじゃないですか。宝石たちのちからを、かしてもらえばいいんですよ」
 ですが、ティティンは頭をひねってしまいます。
「でも、どんな宝石のことばが、ひつようなんだろう……?」
「ふふ。すべてをおしえてくれることばを、えらべばいいんですよ」
 ティティンは、ハッとしました。
「そうか! あの宝石だね!」
 ティティンは、さっそくいのります。
「すべてをおしえてくれることばを持っている宝石……ムーンストーン!」

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 ☆ 宝石クイズ ☆
 むかしむかし、ムーンストーンは、何でつくられた石といわれていたかな?
1 花のみつ
2 月の光
3 海のあわ

 せいかいは、『2』だよ!
 月の光が、かためられてできた石と信じられていたんだって!
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「ムーンストーンにこめられた願いは、真実。わたしに、いまひつような真実をどうかおしえて!」
 すると、ティティンの目の前でふわふわの毛なみをゆらしていたルナが、しんぴてきな光をはなちます。
 青白いふしぎなかがやきで、ルナのすがたが見えなくなってしまいました。
「こ、この光は……?」
 ルナは、まぶしいきらめきのなか、ぐぐぐ、とすがたをかえていきます。
 青白い光がおちついたころ、ティティンは目を開きます。
 すると、そこにルナはいなくなっていました。
 代わりに、真っ黒なドラゴンがいたのです。
 ティティンは、ひまわりよりも高くて大きなドラゴンを、ぽかんと見あげます。
「あの……だ、だれですか?」
「ルナですよ。ティティンさま」
「えっ」
「ぼく、ほんとうは、ドラゴンだったんです。でも、ゲマ王国の魔法使いの呪いによって、うさぎに変えられていたんです」
「ゲマ王国の……?」
 おどろくティティンに、ルナはいいます。
「いま、ゲマ王国をおびやかしているゴーレムも、その魔法使いが作り出したものだとおもいます」
「そんな! だって、あそこにはユヴェールが……」
 ルナから真実を教えてもらい、ティティンのむねに、あついおもいがやどります。
「ルナ! わたしを、ゲマ王国につれていって。わたし、ユヴェールのたすけになりたいの!」
「ティティンさまなら、そういうとおもっていましたよ」
 ルナは、たくましいドラゴンの羽を、ゆったりと動かします。
 それを見て、ティティンは、なんでもできるようなきもちになりました。
 
 ティティンのはなしを聞いて、ビジュー王国の王さまは、とてもしんぱいしました。
 もちろん、王さまは、ティティンのお父さまですから、じぶんのむすめが、ドラゴンにのってゲマ王国に行くなど、キケンだといいました。
 ですが、女王さま、つまりティティンのお母さまは、にっこりわらいます。
「ティティンには、宝石たちがついています。それに、こんなにもつよそうな、ボディガードもできたのでしょう。ティティンたちをしんじましょう、王さま」
 プリンセスのボディガードといわれ、ルナはほこらしいきもちになりました。
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