わたしがつくった華の特注品
「じゃあ、そういうことだから。大体はオレに任せて大丈夫」
「わかった!こういうのあんまり得意じゃないけど、全力を尽くすよ」
「うんうん」
廊下の向こうから、姿勢よく歩いてくる男子が目に入った。
友達数人と一緒なのに、彼だけが浮かび上がって見える。
数人だけれど、女の子がちらちらと彼を見つめていて。
ああ、やっぱりオーラがある。ほんとう、立ってるだけで絵になってて、すごいなぁ………。
1組の王子様。……そして、私のスカウトを一瞬にして断った男。
「お、桃李来たな。じゃ、打ち合わせ通りに」
紅沢くんの声に、ぐっと息を飲んだ。
(よし……作戦開始!)