何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした
翠さま、だった。
元々色気のある方だなとは思っていたけれど、寝起きのそれは反則級に駄々漏れていた。
「…っ、」
思わず言葉に詰まっていると翠さまは不思議そうに小首を傾げ
「すず?」
わたしの名をまだ若干掠(かす)れている声で呼ぶ。
たったそれだけのことなのに、わたしの心臓は大きく跳ね上がる。
「どうした?」
いよいよわたしの様子がおかしいと感じたのか、こちらに歩み寄ってくる翠さまを慌てて制すと
「いえっ、すみませんっ!あの、冷蔵庫を開けてみたら食材が何もなかったのでビックリしてしまって…」
赤面していることがバレないように俯きながら答えると翠さまは「ああ、」と合点がいったようで
「俺たち、誰も飯作れねぇの。だからほとんどコンビニか出前で済ませてる」
「そ、そうなんですか…」
コンビニに出前…。
「もしかして、両方利用したことがないとか言わないよな?」
「え、と…」
「マジか…」
驚いている顔もイケメンですね…。