何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした


「客人の着替え中に、本当に申し訳ない」

わたしが目を覚ましてから、この方はもう何度わたしに頭を下げているのだろう。

「い、いえっ!わたしもわたしで原因が…」

「そうよ仁さん!ノックもしないで入ってきて!今日翠くんが女の子を連れて来るからねって言っておいたでしょう?ねぇ、歩もきいていたよね?」

「ん!ちいてたっ!」

すっかり項垂れてしまったこの素敵なおじさまは「室井仁(むろいじん)」さまと言って、なんと千聖さまの旦那様だそうだ。

歳の差のご夫妻というのは一目瞭然だけど、その年齢の壁なんて感じさせないぐらいの仲の良いご夫妻というのも今のわたしには痛いぐらいに見て取れた。

そして、そんな千聖さまの腕に抱かれているのが、おふたりにとってのかけがえのない「天使」。

「おねえた、じょぶぅ?」

わたしの目から見ても天使以外の何者でもない。

か、可愛いっっ!!!

「うん、大丈夫だよー」

あまりの可愛さに自然と頬が緩む。

そんなわたしを凝視している翠さまとバチっと目が合ったかと思えば、何故だか瞬時にその目を逸らされた。

「…?」

訳がわからず首を傾げるわたしを見て千聖さまが途端にニヤける。

そんな千聖さまを見て今度は仁さまが困ったような表情でため息をつく。

一体なんだというのだろうか…。
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