何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした
「ところでチサトさん。すずの服は決まった?」
「あ、ええ。ちゃんとすずちゃんに似合うものだけを選んでまとめておいたわよ」
「さすがチサトさん。仕事がはやいねぇ」
「おい、翠。千聖がお前の太客なのをいいことに、いいように使うのはよせ」
ふときゃく…?
「いいのよ仁さん。今回は翠くんというより、すずちゃんのために動いたんですもの。若い女の子こ服を選ぶの楽しかったわ」
「まったく千聖は。お人好しもほどほどにしなさい。翠、お前には今回のことで貸しが出来たんだから、その分たっぷりと働いてもらうぞ」
「あ、あの…っ、」
とうとう我慢できなくなって声を上げると皆様の視線が一斉にわたしに集まる。
「や、えっと、あの…。さっきからいったい何のお話をされていらっしゃるのかと。その、気になって…。ふ、ふときゃくとか、なんなのでしょうか…?」
皆様からの視線にたじろぎながらも何とか言葉を口にする。
そうしたら次はご夫妻おふたりの口がポカンと開いた。
「翠くん…?まさかとは思うけれど、すずちゃんに何も説明していないの?」
「まだ何もしてない」
あっけらかんとした表情で答える翠さまに、戸惑うばかりのわたしと、深いため息をつく千聖さまご夫妻。
「お前がそんな不誠実な男だったとはな」
「仕方ないんだよ。すずと出会ったの昨日だし」