何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした
「千聖っ!いい加減にしなさい!私と歩はどうするんだ!?」
「あら、もちろん一緒よ。仁さん、運転よろしくねっ」
千聖さまがニッコリと笑えば、仁さまは「ぐう」と黙ってしまった。
仁さまが心から千聖さまを愛していらっしゃることが伺えてしまって切なくなる。
…敦さま。
「すず?」
突然真上から降ってきた声にビックリして反射的に顔をパッと上げると翠さまの綺麗な瞳とバチっとぶつかった。
そこで、ようやく理解した。
翠さまに抱きしめられたままだったことに。
「やだ、わたしったら!翠さま、申し訳ありません!すぐに離れます!離れ…あれ?」
グイグイと懸命に翠さまから離れようとしているのに、翠さまは逆にわたしを抱きしめる力を強めて、むしろ先ほどよりも体が密着してしまっている。
「す、翠さま…?」
「もう少し、このままがいい、」
わたしの首筋に顔をうずめて甘える翠さまがなんだか可愛く思えてしまって、翠さまの気が済むまでこのままでいることにした。
「…いいなぁ」
そんなわたし達の様子をみていた千聖さまがそう呟いたのと、仁さまの「うわっ」という声が聞こえたのはほぼ同時で。
千聖さまも仁さまに抱きついたのだと、すぐに解った。