満月に引き寄せられた恋〜雪花姫とツンデレ副社長〜
翌日から本格的に会議室でデッサンを始めた。

パステルベビーブルーカラーに載せる、雪花姫の物語。実は二つ似たような候補のイメージがあるが、私の中ではすでにどちらか決まっている。一応念のために、両方とも用意する事にした。

まず初めに予備候補のデザインから。今回は色鉛筆と水性絵の具使用。絵の具ですでにパステルベビーブルーのベースを予め準備しておいた。そこに淡いピンクの桜の花びらと一回り大きな雪の結晶、粉雪の粒を一面に舞い散らす。もちろんキラキラ光る雪の宝石も忘れない。

中央には楷書で書かれた黒い文字の雪花姫。
その下にはローマ字でも名前が書かれている。

さらに下には風に舞う髪の白い女性のシルエットーー精霊雪花姫が佇む。

予備が出来上がった。

時間的にあと一枚、十分余裕がある。

もしかしたら今日中に完成できるかもしれない。



あれほど悩んでいたのに。
あれほど失敗が怖かったのに。

今は嘘みたいにスムーズに手が動く。まるで魔法をかけられたみたいに。

もしかしたら、精霊雪花姫が天華のような雪の魔法をこの右手に降らしたのかも?

……、それとも、昨夜の彼の温かい手の温もりが、魔法だったのかもしれない。





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