満月に引き寄せられた恋〜雪花姫とツンデレ副社長〜
一息ついて、二つ目のアイデアーー本命へ。

今回は全ての色に白を少し混ぜ合わせ、全体的にさらに淡く優しい色使いになる。ベースは先程と同じパステルベビーブルーカラーをさらに薄く透明感のある水色にした。こちらも桜の花びらと細雪、そして輝く雪の宝石を散りばめる。

右側に楷書で雪花姫の文字を入れた。

そして中央のやや下に、すくう片手。その中には、桜の花びらが混ざったふっくらとした雪山。その上に精霊雪花姫が、手の持ち主の方を向いている。

左側から四つの桜の花が上二つと、手の下を囲うようにさらに二つ。



……、うん、出来た。ようやく納得できるデザインが。最初の一枚も美しい。しかしこちらの方が物語性が高いと思う。


『神聖な山々に囲まれて、慈しみ育てられた銀白の精霊、雪花姫』

山々に囲まれ、農家さんたちに大切の育てられたお米。口にすると微かに桜の香りがするお米。雪の精霊からいただいた宝物のお米。まさにこの言葉がピッタリ当てはまる。

それになぜかこの手が、私の手を包んでくれた副社長の手を思い出さずにはいられない。

もう一度、誰かを信じていいのだろうか?
もう一度、誰かに恋していいのだろうか?
もう一度、私は幸せになってもいいのか?

久しぶりにまた人の温もりが恋しくなった。




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