満月に引き寄せられた恋〜雪花姫とツンデレ副社長〜
定時後の七時。ダメ元で副社長室に内線を入れる。運が良く副社長はまだいらっしゃり、デザインが出来上がった報告をした。
「今すぐ持って来い」
どうやら明日まで待てないらしい。
エレベーターで10階に着きドアが開いた瞬間、そこには待ちきれないと言う顔をした副社長がいた。なんだか子供みたいな彼の一面に、思わず笑顔になる。
昨日候補が二つデザインあると予め伝えておいた。私が好きなのは手のひらのデザインだが、決定権は私ではなく、副社長にある。
エレベーターホールでじっと二枚のデザインを見つめる彼。
緊張感が増し、手のひらにじんわりと嫌な汗が滲む。
もしかしたら両方とも却下?
最悪の状態を想像してしまい、胃がちくりと痛み始めたその時、
「よくやった。おまえなら、雪花姫のイメージを完璧に描けるって思ってたよ」
笑顔で見せてくれた一枚の絵は、手のひらに雪花姫が包まれている方だった。
その後彼に連れられーー社長室に。ノックもせずいきなりドアを開ける副社長にヒヤっとさせられた私。
社長室にはもちろん西園寺京社長ともう一人、お客様がいる。この方は顧問弁護士で幼馴染の伊集院涼介先生だと副社長から教えてもらう。
簡単に挨拶をし、待ちきれない感じの副社長がお二人に雪花姫の袋デザインを見せている。
どうやら社長からも合格をいたたけた。
「このデザインに全てが語られている。米が育った場所、生産者の愛、そして雪花姫という宝の米。これ以上のデザインはない。ありがとう」
この言葉に思わず涙ぐむと、隣にいる副社長がポンポンと頭に触れてくれた。
「おまえの絵は優しく人の心を包み込んで温めてくれるんだよ。ありがとうな」
こんな褒め言葉、ますます好きになっちゃうじゃない……、熊男のくせに!
「今すぐ持って来い」
どうやら明日まで待てないらしい。
エレベーターで10階に着きドアが開いた瞬間、そこには待ちきれないと言う顔をした副社長がいた。なんだか子供みたいな彼の一面に、思わず笑顔になる。
昨日候補が二つデザインあると予め伝えておいた。私が好きなのは手のひらのデザインだが、決定権は私ではなく、副社長にある。
エレベーターホールでじっと二枚のデザインを見つめる彼。
緊張感が増し、手のひらにじんわりと嫌な汗が滲む。
もしかしたら両方とも却下?
最悪の状態を想像してしまい、胃がちくりと痛み始めたその時、
「よくやった。おまえなら、雪花姫のイメージを完璧に描けるって思ってたよ」
笑顔で見せてくれた一枚の絵は、手のひらに雪花姫が包まれている方だった。
その後彼に連れられーー社長室に。ノックもせずいきなりドアを開ける副社長にヒヤっとさせられた私。
社長室にはもちろん西園寺京社長ともう一人、お客様がいる。この方は顧問弁護士で幼馴染の伊集院涼介先生だと副社長から教えてもらう。
簡単に挨拶をし、待ちきれない感じの副社長がお二人に雪花姫の袋デザインを見せている。
どうやら社長からも合格をいたたけた。
「このデザインに全てが語られている。米が育った場所、生産者の愛、そして雪花姫という宝の米。これ以上のデザインはない。ありがとう」
この言葉に思わず涙ぐむと、隣にいる副社長がポンポンと頭に触れてくれた。
「おまえの絵は優しく人の心を包み込んで温めてくれるんだよ。ありがとうな」
こんな褒め言葉、ますます好きになっちゃうじゃない……、熊男のくせに!