クールな同期は、私にだけ甘い。

蓮と恋人同士になって、初めての週末。

数日前に蓮から誘われ、私たちはデートをすることになった。

期待と少しの緊張を抱え、約束の日まで私は夢見心地で過ごした。

そして迎えた、デート当日。朝から私は、自室のクローゼットの前で、何度も服を着替えた。

普段着ないようなワンピースも試着してみたけれど、結局、いつもの私らしい、だけど少しだけ女性らしさを意識したブラウスとフレアスカートを選んだ。

蓮に、少しでも可愛いって思ってもらえると良いな。鏡に映る自分を見ながら、そんなことを思った。

準備を終え、急いで家を出る。待ち合わせ場所に向かう足取りは、まるで羽が生えたように軽かった。

約束の場所に着くと、そこに立っていた蓮の姿に私は思わず息を呑む。
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