クールな同期は、私にだけ甘い。

「あのとき、お前がパソコンの前で一人で頑張ってる姿を見て、俺は琴音のそばにいたいと強く思ったんだ。もしかしたら……あの瞬間から、俺たちの物語は始まったのかもしれないな」

蓮の言葉は、私の心に深く響いた。

あの夜、初めて蓮が私の頭をポンポンと撫でてくれた瞬間、私は深い絶望の底で、彼という光を見つけた。

それは、仕事のスランプに喘いでいた私にとって、ただの同期だった蓮を、特別な存在として意識し始めた、忘れられない原点だ。

あの出会いが私の人生を、そしてデザイナーとしての私を、全く新しいものへと変えてくれた。

そして今、この場所で、私たちは互いの手をぎゅっと強く握りしめている。

「琴音……好きだよ」

「私も。蓮のことが大好き」

最高のクリエイティブを共に生み出す仕事の、そして、心の奥底で互いを支え高め合える人生のパートナーとして、私たちは確かな未来を歩み始めている。

窓の外に広がる都心の夜景は、あの日の蒸し暑さが嘘のように、すっかり秋の涼しい空気に包まれている。

きらめく無数のビルの灯りが、まるで私たち二人の未来を、明るく照らしてくれているようだった。

【完】
< 57 / 57 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:26

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
「キミ、可愛いね。 お近づきの印に、俺とキスする?」 ある日、頭痛で保健室を訪れた平凡女子・咲奈。 学校中を騒がせる人気モデル・須藤海里の キスを拒んだら── なぜか気に入られて、彼の 「専属目覚まし係」に指名されてしまい!? 「これから昼休みが終わる前、 保健室まで起こしに来てくれない?」 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ コウハイ♀ 平沢 咲奈 × センパイ♂ 須藤 海里 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ プレイボーイなんかに、絶対惚れたりしない──そう思っていたはずなのに。 彼がふと見せる素顔に、気づけば心を持っていかれていた。 「ねぇ、咲奈ちゃん。 俺と、悪いことしちゃおっか?」 一度ハマったら、もう後戻りできない。 甘くて苦しい、極上の沼系学園ラブ。 ※今作は、短編『俺と、悪いことしちゃおっか?』を 大幅に加筆修正し、長編化したものです。
表紙を見る 表紙を閉じる
勉強もマナーも、まるでダメ。 でも、走ることだけは、誰にも負けない。 そんな私が、双子の妹のピンチを救うため、 頭脳明晰なお坊ちゃま・お嬢さまが集う名門校へ、 妹になりすまして通うことになって……? 授業にはついていけず、右も左も分からない毎日。 そんな私の武器は、行動力と、まっすぐな足だけ。 おまけに、学園一の御曹司と噂される、 クールな生徒会副会長にまで、目をつけられて──? 「無理して、笑わなくていいからな」 「今日みたいな顔、悪くないと思う」 そう言って笑う彼に、うっかりドキドキしてしまう。 「今日は、いつもと雰囲気がちがうね」 見抜かれたら、すべてが終わる。 妹のための嘘のはずなのに、 彼と過ごす時間だけは、どうしても手放したくなくて。 クールなはずの彼の視線が、 ときどき、本当の「わたし」を見ているような気がして──。 頭脳で戦う世界に、体一つで飛びこんだ、 運動バカな双子の姉と、クールな御曹司の、 四十五日間の、入れ替わりラブストーリー。 2026.10.12 完結
社長、その溺愛は計算外です

総文字数/94,462

恋愛(オフィスラブ)171ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「今夜から──君は、俺のものだ」 婚活で「可愛げがない」と敬遠され続け、 理想の女性を演じることに疲れたOL・新谷梓。 仕事相手のクールな社長は 私の前でだけ、素顔を見せる。 距離が近づくほど、惹かれていく私。 だけど彼には、私の知らない秘密があって……。 「逃げないでください。 俺には、梓しかいないから」 圧倒的な覚悟で迫る社長からの溺愛は 完全に、計算外でした。 ─────────────── 完璧な社長の仮面の下に 溺愛を隠すヒーロー 桐原圭佑(32) × 本当の自分を見せることを 恐れているヒロイン 新谷梓(29) ─────────────── ※本作は、短編『完璧な社長は、 私にだけ素顔を見せて溺愛する』を元に 物語や設定を再構築し、長編化したものです。 2026.04.17 公開 2026.05.17 完結

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop