心理カウンセラーと傾国美男(イケメン)と社内公募婚~導きたいのに私が甘く導かれてます~
コポコポ…

豆から抽出されたコーヒーは静かに音を立て香りを漂わせる。

どうする?
後ろに感じる圧がやばい。
逃げるにも給湯室の入口にもたれ掛かられたら出れないし!

「と、とも、友達でどうですか?」

苦肉の策!

「無いな。学生じゃあるまいし」

入口で組んでた腕を解き私の方を見てるのが分かる。
普通は雲の上の存在の人。
この人も社内公募での結婚を望んでるとも思えない。

「本当に好きな人と結ばれるべきですよ」

「先生には関係ない」

それもそうなんですけどね。
今は何を言っても私の方が分(ぶ)が悪い。
酔ってたとはいえサインしてるし…
部屋の空気が重すぎる。

「お邪魔でしたか?」

天の助け!
部屋をノックとドアが開いた音。
最高のタイミング!

「来るの早いな」

「仕事ですから」とニコッと微笑まれ嫌な空気が浄化される。
給湯室を覗いてきた彼とお互い会釈をした。

「専務、彼女が出られないですよ」

微笑みが素敵すぎる。
そしてスマートな対応。

「霧島です」

霧島 千歳(きりしま ちとせ) 専務秘書
“あの噂”の本命(たぶん)のイケおじだ。

「どうも…新山です」

2人が並ぶと圧巻‼
社内公募とかふざけたことなんてやってないで
国の法律を変える方法を考えて頂きたい!

「おい、聞いてる?」
「なんでしょう?!」

妄想に浸ってる場合じゃなかった…
専務と私の距離感がバグってます。
顏をめっちゃ凝視してくるし!
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