心理カウンセラーと傾国美男(イケメン)と社内公募婚~導きたいのに私が甘く導かれてます~
「お前の幸せを願って…」
「自分の出世の為でしょーが!」

“私を思って”その気持ちがあったのも分かる。

幼い時に母が家を出て行き高校時代に父が再婚。
一緒に住みづらくて私は叔父の家に住んでいた。

「どうすんのよ…」

「お前なら頑張れる。つーか頑張れ」

私の周りはこんなやつしか居ないのか?

「まあまあ、とりあえず着替えておいで」

叔父は開店準備をしつつreserve(予約)のプレートを置きまた私に苦笑い。

「俺は帰る。デートだし」
「ちょっと、話終わってない‼」

智樹は他人事のように「じゃあな」と店を出て行った。

「はぁ~。とにかく着替えてくる…」

智樹の自由さは今に始まったことじゃない。
私は諦めて裏の更衣室へ。

だって…

「今日は何を占いますか?」

彼からまた予約が入ったから。
月に一回ペースで入る彼からの予約は今日で3回目。

「おにぎりは?」
「私は占いする為に来たんですけど…」

このやり取りは実質2回目。
千湖(ちこ)に会ったのに気付かないこの人の記憶能力が心配になる。

「人生で一番美味かった」

世も動かしかねない“四条 陽翔”にそこまで言わしめた“塩むすび”を今回もご所望される。
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