心理カウンセラーと傾国美男(イケメン)と社内公募婚~導きたいのに私が甘く導かれてます~
(取り敢えず着替えますか…)

新山 千湖(にいやま ちこ)から占い師“せんこ”に変わる瞬間。

柔らかめのブラウスから黒のTシャツにタイトスカートからデニムへ。
おろした髪は緩めにシュシュで結んで仕上げに眼鏡をコンタクトに変更。

「今日の人からは十分お代頂きなさいよ。持ってる人から貰わないと」

るる姉は黙ってればそんじょそこらの女性より綺麗。
でも経営者としての腹黒さも兼ね備えてる。

「十分ね…。さすがに私レベルでそんなわけには」

依頼があれば私はタロットで占って上げることがある。
本格的では無いし占うのは知り合いが殆どで占い代は当然貰ってない。
強いて言えば私が占う時に頂くお酒代くらい。

「評判良いんだから」

当たるも八卦当たらぬも八卦!
飲んだお客さんからすれば余興の一つと言う考えらしい。

「気にしな~い。気にしな~い」

叔父への愛の叫びはいつものように届かなかったるる姉はすでにほろ酔い気味。

「じゃあ、お代よりそれ欲しいかなー」

るる姉の頭を指さした。

「欲しいなら上げるけど、こんな物で良いの?」

いつもオシャレなるる姉のウィッグが気になった。
ボブヘアーの黒髪のツヤが自然で可愛い。

「お客さんまだ居ないし…おいで」

カウンターの私を呼んで自分のウイッグとロングヘアをまとめてたネットを外し器用に
装着してくれる。
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