心理カウンセラーと傾国美男(イケメン)と社内公募婚~導きたいのに私が甘く導かれてます~
「あら~可愛い!」

感嘆の声は嬉しいけど…

「私、27だよ…」

「童顔ぷにぷにのちーに似合うわ~」

ぷにぷには余計です。
オシャレな大人女性を期待したんだけど思ったようには行かない。

「じゃあ、これを最後にこれとこれを」と楽しそう。

唇にいつもは塗らない深い紅色。
それと口元にはホクロを追加した。

「これで男もいちころ」

“いちころ”って言葉は古いからスルー。
それより、Tシャツにこれ…?

「おかしくない?」

ロックバンドめちゃ推してます‼的な仕上がりに鏡をみて苦笑い。

「その、へッ…、アンバランスさが最高よ!」

今、“変”って言いかけたよね?
いつもの自分とかけ離れた姿に違和感しかない。

「やっぱり取りたい…」

「何言ってんの~。可愛いのに」

おいおい、これやばくない?
まるで口裂け女!
都市伝説!

「るる姉…やっぱ」
「いらっしゃいませ~」

叔父の声にるる姉は「ほら行くわよ」と笑いながら半分残ったビールを飲み干し私の背中を押した。
< 4 / 55 >

この作品をシェア

pagetop