絆の光は未来へ
「そして、婦人科系の病気だが、これは現在も慎重に経過を見ている。脳炎の再発リスクとの関連も否定できない以上、体調の管理は今後も非常に重要になる。無理は決してできない。過度なストレスは、絶対に避ける必要がある」

あゆかは、真剣な表情で光希の言葉を聞いていた。厳しい現実も、全て受け止めようと覚悟しているようだった。

「だから、今後のリハビリとしては、身体機能の維持・向上はもちろんのこと、高次脳機能のリハビリをさらに強化していく。集中力を高める訓練や、判断力を養うためのプログラムも取り入れていく。そして、何よりも、疲労管理が重要になる。無理だと感じたら、すぐに休むこと。それを徹底してほしい」

光希は、資料を閉じ、あゆかの手を取った。

「看護師になるという君の夢は、決して諦める必要はない。でも、そのためには、君自身の身体と心の状態を、誰よりも君自身が理解し、管理していく必要がある。俺も蓮も、そして担当チームが、全力でサポートする。焦らず、一歩ずつ、着実に進んでいこう」

光希の言葉に、あゆかの目から涙が溢れた。それは、自分の身体の限界を突きつけられた悔しさ半分と、それでも諦めずに支えてくれる光希への感謝半分だった。

「うん……私、頑張る。光希、ありがとう……」
あゆかの声は震えていたが、その瞳には、未来を見据える強い光が宿っていた。看護師への道は平坦ではない。しかし、光希と共に、あゆかはその困難な道を歩む覚悟を決めたのだった。
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