絆の光は未来へ

退院前の最終説明:光と影

看護学校からの復学へのゴーサインが出たことで、あゆかの退院は現実のものとなっていた。退院日を目前に控え、光希はあゆみの病室で、改めて彼女の病状と自宅での注意点について、詳細な説明を行った。

その表情は、いつもの優しい笑顔の中に、医師としての真剣さを帯びていた。

「あゆか、退院おめでとう。君の努力が実を結んだ結果だ」

光希の言葉に、あゆかは嬉しそうに頷いた。しかし、すぐに彼の表情が引き締まる。

「ただ、いくつか、改めて理解しておいてほしいことがある。まず、高次脳機能障害の後遺症についてだ。記憶力や集中力はかなり回復したとはいえ、疲労が蓄積すると、判断力や集中力が低下する可能性がまだ残っている。 学校の授業や実習は、これまでとは比べ物にならないほどの負担になる。少しでも異変を感じたら、迷わず休むこと。君の未来のために、絶対に守ってほしい」

光希は、あゆかの手を取り、ゆっくりと指をなぞった。
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