絆の光は未来へ
数日後、二人は役所に婚姻届を提出した。病院の関係者や、それぞれの家族には後日改めて報告することにした。

派手な結婚式も、盛大な披露宴もない。ただ、光希とあゆか、そして二人の証人として蓮が立ち会うだけの、こじんまりとした時間だった。

しかし、その空間には、どんな豪華な式場よりも深い愛と絆が満ちていた。

病室で、指輪を交換する。光希が用意したのは、シンプルなプラチナの指輪。内側には、二人だけが知る小さなメッセージが刻まれている。「Together, Always(いつも一緒に)」。

あゆかの細い指に、それは美しく輝いた。まるで、彼女の未来への希望を象徴するかのように。

「これからは、どんな時も一緒だ。病気の時も、元気な時も、嬉しい時も、辛い時も。俺が、君を守る」

光希の言葉に、あゆみは満面の笑みを浮かべた。その笑顔は、長い闘病生活を経て、より一層輝いて見えた。

「うん。私も、光希を守るよ。看護師になったら、光希と一緒に、たくさんの人を救いたい。私たちが出会えたように、誰かにとっての希望になりたい」

蓮は、二人の姿を見守りながら、静かに涙を拭いていた。医師として、友人として、二人の歩みを見続けてきた彼にとって、この瞬間は何にも代えがたい感動的な時間だった。
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