絆の光は未来へ
そのことが、あゆかの心にさらなる恐怖を植え付けました。完全に身動きが取れなくなったあゆかは、ただ怯えた目で医学生を見つめることしかできませんでした。

静まり返った内診室に、あゆかの荒い息遣いだけが響き渡ります。

(光希……っ、助けて……!)

あゆかは、意識が朦朧とする中で、心の中で愛する夫の名前を叫びました。

大きな声を出して、誰かに、光希に届いてほしいと願ったその時、医学生は素早く動きました。

彼は、あゆかの口に大きなガーゼを突っ込み、さらにその上から粘着力の強いテープを何重にも貼り付けた。

抵抗する間もなく、あゆかの声は完全に奪われ、喉の奥で悲鳴が押し殺されます。呼吸が浅くなり、恐怖で肺が締め付けられるようでした。

医学生は、ぐったりと内診台に固定されたあゆかの顔を、満足げな、しかし歪んだ笑みを浮かべながら覗き込みました。その目は、狂気に満ちていました。

「嘘に簡単に引っかかってくれて良かったよ。」

低い声が、静まり返った内診室に響き渡ります。

「ずっとお前が好きだったんだ、あゆかちゃん。実習中にあった時も微笑んで会釈してくれたろ?」
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