絆の光は未来へ

夫婦の絆

あゆかは、今の精神状態では休学という重大な事実すら、まともに受け止められる状況ではなかった。

光希は、彼女への配慮から、あえてその辛い現実を直接伝えることはせず

「今は決して無理をせず、自分の心と身体を癒すことだけに専念しよう。俺がどんな時でもずっとそばにいるから、安心してくれ」

その様に心を込めて優しく語りかけました。
それでも、何かを察した彼女は布団に顔を埋めて、声を殺して静かに泣きました。

光希は、休学期間中、可能な限り診療時間を調整し、あゆかのそばにいる時間を最優先に確保しました。

自宅での穏やかな日中は、詩集をゆっくりと読み聞かせたり、二人の幸せだった思い出が詰まったアルバムを一緒に静かに眺めたり、彼女が心から安らげるような平和で温かな時間を大切に過ごした。

夜は、あゆかが悪夢にうなされることなく安心して眠れるように、光希が彼女をそっと抱きしめて眠る日々が続きました。

しかし、ふとした瞬間にあの忌まわしい日の出来事がフラッシュバックすると、あゆかは突然立ち上がり、何かに憑かれたように身体を洗いに浴室へと駆け込んでしまうことが度々ありました。
< 223 / 284 >

この作品をシェア

pagetop