絆の光は未来へ
ある日、浴室から響く激しいシャワーの音と、あゆかの抑えきれない嗚咽が漏れてくるのを聞いた光希は、もういてもたってもいられなくなり、意を決して浴室のドアを静かに開けた。

「あゆか、大丈夫だ。もう十分に洗ったから…。」

そう言って、激しく身体を擦り続けるあゆかを、光希はそっと後ろから抱きしめようと手を伸ばしました。

「汚れるから!私に触らないで!」

あゆかは、今まで光希が一度も聞いたことのないような絶望に満ちた大声で叫び、光希の手を激しく振り払おうと必死にもがきました。

その声には、深い絶望と激しい自己嫌悪、そして光希を巻き込んでしまうことへの恐怖がありありとにじみ出ていました。

しかし、光希は決して手を離しませんでした。彼女がどれほど激しく抵抗し、振りほどこうとしても、決して離れることのないほどに強く、そして限りなく優しく抱きしめ返しました。

「汚くなんてない。お前は何一つ汚れていない。俺が全部きれいに消毒したんだ。だから、もう大丈夫だ、あゆか。お前は美しいままだ」

光希の心からの言葉は、まるで温かな光のように、あゆかの凍りついた心をゆっくりと包み込み、溶かしていきました。
< 224 / 284 >

この作品をシェア

pagetop