絆の光は未来へ
あゆかの回復は、依然としてゆっくりとしたものでしたが、確実に前へと進んでいました。

光希は、彼女が自分に触れられるようになるまで、どれほどの時間がかかろうとも、決して諦めなかった。

彼はあゆかの手を取り、ゆっくりと自分の手のひらに重ねることから始め、その温かさで、彼女の心に安らぎを与え続けました。

最初は数秒間だけでしたが、やがてあゆかは光希の手を握ったまま、長い時間を過ごせるようになりました。

彼女の手のひらに感じる温もりは、光希にとって何よりも尊い贈り物でした。

時には、あゆかの方から光希の肩に頭を預けることもあり、その度に光希は、静かに涙を流しながら彼女を包み込みました。

ある夜、あゆかは初めて光希に抱きしめられながら、小さな声で話し始めました。

「怖かった」「汚れたと思った」「だめだと思った」

そんな言葉を、震える声で吐き出していきました。光希は黙って聞き、彼女の涙を受け止めました。

そして、すべてを話し終えたあゆかに、

「君は何も悪くない。君はとても強い人だ。そして、僕は君を愛している」

そう伝えた。
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