絆の光は未来へ
夜は更け、二人の会話は途切れることなく続いた。過去の重荷、現在の苦悩、そして未来への希望について、俺たちは語り合った。

同じ場所から始まり、違う道を歩み、そして再び出会った二人の医師として。

「あの店での経験は、俺たちにとって無駄じゃなかった」一ノ瀬が静かに言った。

「人の心の闇を見たからこそ、光の尊さが分かる。患者の痛みに寄り添えるのも、その経験があるからだ。」

「あゆかが笑ってくれる日が来るまで、俺は待ち続ける。彼女の助けになる同じように傷ついた人間として、彼女の気持ちを理解できるかもしれない。」

「その日は必ず来る。そして、その時俺も一緒に喜ばせてもらう。俺たちは、あの暗い時代から這い上がって、今こうして人を救う立場にいる。それは誇れることだ。」

一ノ瀬が応えた。

あゆかの回復への道のりはまだ長く、困難を伴うだろう。しかし、俺には、共に歩んでくれる大切な友がいる。

そして何よりも、愛するあゆかのために、俺はどんな困難も乗り越えていくだろう。

この夜の告白は、俺にとって解放の始まりとなった。長年抱えてきた羞恥と罪悪感を、同じ過去を持つ友と分かち合うことができた。
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