絆の光は未来へ

希望の象徴

翌年の春、無事に看護師国家試験にも見事に合格した。あゆかは看護学校を優秀な成績で卒業し、光希のいる総合病院に就職が決まった。

卒業式の日、光希と一ノ瀬が見守る中、あゆかは晴れやかな笑顔で卒業証書を受け取った。

「おめでとう、あゆか」

光希は花束を手渡しながら言った。

「ありがとう。これからが本当のスタートだからドキドキする」

あゆかは涙ぐみながら笑った。

あゆかは地元の総合病院で新人看護師として働き始めていた。先輩看護師たちの指導を受けながら、患者さんと接する毎日は充実していた。

あゆかの体に新たな変化が訪れた。
最初は単なる仕事の疲れだと思っていた。

しかし、あゆかは急に調子が悪くなることが多く、横になる時間が増えていた。 朝、目覚めると軽い吐き気を感じたり、日中も原因不明の倦怠感に襲われたりすることがあった。

病院での仕事中にも、突然めまいを感じて壁に手をついて支えることが何度かあった。

光希は敏感に彼女の変化を感じ取っていた。医師としての経験から、これがただの疲労ではないことを直感していた。

そして…あの脳炎の再発を頭の片隅で恐れていた。
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