絆の光は未来へ

変化

妊娠16週を迎えた頃、あゆかは朝の目覚めが随分と楽になったことに気がついた。

「おはよう」

光希に声をかけながら、いつものように洗面所に向かう。鏡の前で歯ブラシを手に取った時、ふと気づく。
あの胃のむかつきがない。

「どうしたの?」

光希が心配そうに覗き込む。

「なんだか...調子がいい」

あゆかは自分でも信じられないような表情を浮かべた。ここ数週間、毎朝襲っていた吐き気がすっかり影を潜めている。

「本当?」

「うん。お腹も空いてても気持ち悪くない!」

久しぶりに感じる空腹感。あゆかは小さく笑った。
その日の朝食は、久しぶりに二人揃ってゆっくりと味わうことができた。

光希が作ってくれた卵焼きが、こんなに美味しいものだったのかと改めて感じる。

「これが安定期っていうことなのかもしれないね。
主治医なんだから、何かあったら言えな。
あと、今日は検診日だろ。今日は楽しみにしてな。」

「どういう事?」

「まだ、確信がないから秘密」

少し不思議そうにしながも光希の言葉に、あゆかは頷いた。体調が安定してくると、お腹の中の赤ちゃんへの意識も変わってきた。

もう「つわりに耐える毎日」ではなく、「赤ちゃんと一緒に過ごす毎日」になったのだと実感する。
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