絆の光は未来へ
光希は白衣を身につけ、清潔感のある白い空間に立っている。今日の彼も、もちろんコンタクトを着用していた。黒縁メガネの姿はあゆかにしか見せないプライベートなとき。
爽やかな横顔は、患者を診る医師としての集中力を物語っている。この診察室では、彼はあくまで「患者を診る医師・工藤光希」として存在し、あゆかと一対一で向き合うプロフェッショナルだった。
「定期受診ですね。特に気になる症状はありますか?」光希の声が、あゆかの耳に優しく届く。その声には、患者への配慮が滲み、業務的ながらも温かい響きがあった。
あゆかは、絞り出すような声で答えた。
「いえ、特に……いつも通り、です」
言葉とは裏腹に、あゆかの内面では激しい感情の波が押し寄せていた。この診察室、そして視線の先に閉まっているあの内診室のドアの向こうにある診察台の上で、光希に自分の最もデリケートな部分を晒す。それは、持病のために必要なことだと頭では理解している。
病気が発覚した13歳から何回も経験しているが、絶対に平常心で受けたり、慣れることはない。
看護師を目指す自分自身が、患者の気持ちに寄り添うためには、この経験も必要だと、そう言い聞かせている。
爽やかな横顔は、患者を診る医師としての集中力を物語っている。この診察室では、彼はあくまで「患者を診る医師・工藤光希」として存在し、あゆかと一対一で向き合うプロフェッショナルだった。
「定期受診ですね。特に気になる症状はありますか?」光希の声が、あゆかの耳に優しく届く。その声には、患者への配慮が滲み、業務的ながらも温かい響きがあった。
あゆかは、絞り出すような声で答えた。
「いえ、特に……いつも通り、です」
言葉とは裏腹に、あゆかの内面では激しい感情の波が押し寄せていた。この診察室、そして視線の先に閉まっているあの内診室のドアの向こうにある診察台の上で、光希に自分の最もデリケートな部分を晒す。それは、持病のために必要なことだと頭では理解している。
病気が発覚した13歳から何回も経験しているが、絶対に平常心で受けたり、慣れることはない。
看護師を目指す自分自身が、患者の気持ちに寄り添うためには、この経験も必要だと、そう言い聞かせている。