絆の光は未来へ

告げられる病状

ICUの一角にある簡素なカンファレンススペース。白い壁に囲まれたその部屋に、光希は蓮に促されるように入った。

すでにそこにいたICUの担当医の高橋が、光希の顔を見て軽く会釈する。光希は呼吸を整え、両手を強く握りしめた。幼馴染みの容態を聞く不安と、医師としての覚悟が交錯する。

「工藤先生、状況は一ノ瀬先生から聞いている。まずは佐々川さんの現在の状態から説明しよう。」

高橋が口火を切った。その声は冷静で、事務的だったが、光希にはその背後に隠された緊迫感がひしひしと伝わってきた。目の前に広げられた電子カルテの画面には、あゆかのバイタルデータと検査数値が並んでいる。

「意識レベルはJCS III-200。搬送時より改善は見られない。バイタルは血圧が低めで不安定な状態が続いているが、現時点では昇圧剤で維持できている。

体温は38.5 で高止まりだ。血液検査ではCRPの著しい上昇、白血球の増加が見られる。DIC(播種性血管内凝固症候群)の兆候も出てきている。」

担当医の言葉が、光希の脳に直接響く。一つ一つの単語が、あゆかの身体の危機的な状況を訴えかけてくる。
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