絆の光は未来へ

主任看護師が、光希の両親に注意点を告げた。 

「ただし、本当に短時間です。患者様に刺激を与えないよう、静かに、そして感染対策にご協力ください。特に、佐々川さんの戸籍上の保護者ではないという点をご理解の上、あくまで特別な状況での例外措置です。長時間の滞在はご遠慮ください」

ゆっくりと歩み寄り、美佐子(みさこ)は、光希の顔を見るなり、その憔悴しきった姿に息を呑んだ。
無理もない、憔悴してて点滴までしているのだから。

そして、ベッドにあゆかが横たわっているのを見て、思わず口元を押さえた。

「あゆか……!」

美佐子の声が震える。健一(けんいち)もまた、無言であゆかを見つめている。彼の目は、幼い頃から家族として育ててきたあゆかの、変わり果てた姿を前に、悲痛な光を宿していた。

美佐子は、あゆかの冷たい手をそっと握り、その細い腕を震える指で撫でた。健一は、あゆかの顔を見つめ、苦しげに唇を噛みしめていた。
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