絆の光は未来へ

新たな闘い、尽きない探究

蓮に半ば強制的に仮眠室へと連れて行かれた光希だが、眠れるはずもなかった。横になったところで、あゆかの顔が脳裏にちらつき、ICUの機械音が耳の奥で鳴り響く。結局、目を閉じたまま、時間は虚しく過ぎていった。

朝日が昇り、わずかに明るくなった仮眠室を出ると、光希は足早に医局へ向かった。疲労困憊の身体を引きずりながら、自分のデスクの引き出しを開ける。

そこから取り出したのは、一冊の古びたスケッチブックと、ある小さい箱だった。

スケッチブックはあゆかが高校生の頃、看護学校の受験勉強の合間に息抜きで描いていたものだった。たくさんの医療器具や、優しい笑顔の看護師の絵が、あゆかの字で「夢」と添えられていた。光希が、あゆかにプレゼントしたものだった。

スケッチブックを胸に抱き、光希は再びICUへと向かった。

光希は、仮眠室でわずかな休息を取った後、再びICUに戻ってきた。顔色は相変わらず土気色だが、その瞳には、昨日よりも強い意志の光が宿っていた。

Iあゆかの元へ行くと既に主任看護師が日勤への引継ぎの準備をしていた。光希は、昨日からほとんど変わらないあゆかの容態を確認し、深く息を吐いた。
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