絆の光は未来へ

閃光

休息を取って戻ってきた光希は、再びあゆかの隣で、膨大な量の文献と向き合っていた。

カフェインを過剰に摂取し、目の下には深いクマが刻まれている。時折頭を抱え、それでも諦めずに画面を見つめ続ける。

その時だった。ある論文の一節が、光希の目に留まった。

「……稀な自己免疫疾患の一種、特定のウイルス感染後に発症する可能性、そして、若年女性に多く見られる非典型的な臓器不全……」

その言葉が、光希の脳裏に電流のように走った。これまで見てきたあゆかの症状、そして彼女が数週間前にかかっていた軽度の風邪。全てが、まるでパズルのピースがはまるかのように、繋がり始めた。

「これだ……!」

光希の目に、それまでなかった強い光が宿る。彼は、その論文の筆者名と学会発表の年を確認した。まだ症例は少ないが、まさに、あゆかの病状に酷似していた。

彼はすぐに、その論文を印刷し、高橋医師の元へと向かった。

「高橋先生!見てください、これです!あゆかの病気、これかもしれません!」

光希の声は、興奮と確信に満ちていた。彼の手には、あゆかの命を救うかもしれない、希望の光が握られていた。
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