絆の光は未来へ

光希side

翌日、他院から駆けつけてくれた専門医がICUに入ってきた。その瞬間、俺の心は期待と不安で激しく鼓動を打った。

専門医は、まずあゆかの状態を詳細に確認した。俺とICUの担当医は、これまでに行った検査結果や経過を詳しく説明した。

専門医は俺たちの話に熱心に耳を傾け、時折質問を挟んだ。その真剣な様子に、俺は最後の希望を託した。

診察を終えた専門医が俺と担当医に向き直った時、その顔にはわずかながら確信の色が浮かんでいるのが見えた。俺の胸に、小さな光が灯った。

「これまでの経過、そして工藤先生が見つけられた論文の内容を鑑みるに、確かにその稀な自己免疫疾患の可能性が高い。特に、特定のウイルス感染後に発症したという点が、大きな決め手になるだろう」

その言葉を聞いた瞬間、俺は固唾を飲んだ。ついに、あゆかの病気の正体が見えてきたのだ。

「特殊な血液検査の結果を待つ必要があるが、状況を鑑みて、この段階でその疾患に対する免疫抑制療法を開始するべきだと考える。早期の治療開始が、臓器不全の進行を食い止め、回復に繋がる可能性が高い」
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