絆の光は未来へ
人工呼吸器の離脱は、あゆかの回復が着実に進んでいることを示す、大きな一歩となった。しかし、本当の闘いは、これから始まる。意識が回復しても、身体機能の回復には、長いリハビリが必要となるだろう。
光希は、その全てをあゆかと共に乗り越える覚悟を、改めて心に誓った。

あゆかの意識が回復し、人工呼吸器も無事に外れた数日後、光希と高橋は、一般病棟への移動を前に、あゆかへの病状説明を行うことにした。

あゆかの両親と蓮も同席し、光希は主治医として、彼女自身の言葉で現状を理解してもらうため、最大限配慮した言葉を選んだ。

ICUの個室に、光希、高橋医師、あゆか。あゆかの顔にはまだ酸素マスクがつけられていたが、その瞳には以前にはなかった強い光が宿っていた。

「あゆかさん、体調はいかがですか?」

担当医が優しく声をかけると、あゆかはゆっくりと頷いた。

「はい……少し、だるいけど……大丈夫、です」

まだかすれ気味の声だったが、その返事に、光希の胸に温かいものが込み上げた。
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