お誕生日は結婚式のおままごと？！

そして日曜日！お誕生日当日です！
ピンポーン！
「こんにちは！あっこです！今日はお邪魔します！」
あっこちゃんは集合より早い１５分前に、ピアノ発表会で着ていた緑のドレスに身を包んで現れました。
ピアニカとくまのぬいぐるみを持って。
「このくま、この前のピアノコンテストの優勝賞金で買ってきてん。枕元に置けそうな大きさやろ？」
「ああ、この前みわちゃんと応援しに行ったコンサートやね。うん、かわいいしぼくのプレゼントより高いなぁ。」
「プレゼントは気持ちやで。」
「そうやで、ひとし。この前ファミレス行ったときに買った指輪やろ？お父さん、指輪はいっつもつけてるからこのブランドのケースに入れて渡してあげなさい。」
ひとしくんのお父さんも今日は休みで張り切っています。
「ありがとうお父さん。そうするわ。」
ジュージュー。
台所からひとしくんのお母さんがホットケーキを焼いている音がします。
ほんのりバターの香りがしてとても美味しそうです。
「お兄ちゃん、これがぼくの書いたラブレターやで！ぜひ読んで告白の役に立ててなー！」
あきらくんもうれしそうに顔を出しました。
そして、ひとしくんとあきらくんがあっこちゃんの持ってきてくれたポッキーとポテトチップスをお皿に入れていると、みわちゃんが到着しました。
ピンポーン！
「こんにちは！みわです！今日はありがとうございます！」
「みわちゃん、待ってたで！入っておいでー。」
ひとしくんは宣言していた通りのスーツでみわちゃんを迎えに行きました。
「こんにちはひとしくん。スーツなんか普段見ぃひんからドキドキするなぁ。かっこいいやんか。ネクタイまでして。」
「お父さんがつけてくれてん。ぼくはまだ結ばれへんねん。」
「みわちゃん、今日はおめでとう！私まで一緒にお祝いさせてくれてありがとう！さっ、皆でお菓子食べよう！」
そしてみわちゃんはリビングにお邪魔し、あっこちゃんが持ってきてくれたポッキーに手を伸ばしました。
ポリポリポリ
「みんなー！ホットケーキ焼けたでー！」
ひとしくんのお母さんがホットケーキとカルピスを運んできてくれました。
そして、全員でこたつの上に置かれた、湯気が出てあったかそうなホットケーキを眺めました。
「ハッピバースデーみわちゃーん♩ハッピバースデーみわちゃーん♩ハッピバースデーディアみわちゃーん♩ハッピバースデートゥユー♩」
あっこちゃんのピアニカに合わせて皆でバースデーソングを歌いました。
「ありがとうみんな！」
みわちゃんのホットケーキのうえには、大きなろうそく1本と、小さなろうそく2本。みわちゃんはそれをフッと吹き消しました。
パチパチパチ。
「みわちゃん、2人で手を合わせてホットケーキ切ろう。」
「ええよー。って、なんかそれって。。。結婚式っぽい。恥ずかしいなぁ。」
2人は手を合わせて皆にホットケーキを切り分けました。
パチパチパチパチ。
皆からまた拍手が起こりました。