深夜13時の夜行バス
喪服の女
■喪服の女
それから四日間、各自営業の後プレゼンの企画作りと言う仕事に追われた。
自然帰りは遅くなる。
何度も栄養ドリンクに頼った。けれどこの企画が通ればあとは開発事業部と外食事業部の連中が後を引き継いでくれる…(筈)
それまでの我慢。
昼は営業外周り。間を縫って悲恋坂を訪れてはその心中した二人の行方を探している。
が…これがさっぱりうまくいかない。だって100年も前のことだもの。噂を知っている、という高齢の人を見つけることはできてもあくまで噂を知っていると言う程度で二人の出生場所や出会い、顔写真なんかは当然簡単に出てくることなく。
そして社に帰ったら、写真館風カフェの資料作り。必然的に帰りは遅くなる。午前様なんて当たり前だ。
そして帰りが遅くなると、また自然に夜行バスに乗る頻度が増えた。
そして不思議なことに、私が乗るバスは毎日乗車客が私一人。
相変わらずの最後尾。
最近は特に疲れが溜まっている。アルコールを入れてなくても私はすぐにうとうと。
またもハっとなって目が覚めた。
寝過ごしてないよね!
慌ててキョロキョロとバスの停留所表示を見るものの、まだ半分以上ある。そのことにほっとしつつも
あ………また…
あの喪服の人―――
今日はバスの半分程の席に居る。