五妃伝 ~玉座に咲く愛~
「ならば、朕が与えよう。」

玄曜の声は静かだったが、その奥には確かな熱があった。

制度が障害となるならば、変えればいい――

それが、皇帝である自分の役目だと、彼は信じていた。

「それほどまでに、その女をお望みですか。」

沈黙を破ったのは、陳亮だった。

重々しく放たれた問いに、玄曜は迷いなく頷いた。

その目には、もはや言い逃れも、躊躇もなかった。

27歳。まだ若き皇帝が、これほどまでに一人の女を欲する姿を、

楊家当主は黙って見つめていた。

(これほどの熱を、陛下が誰かに注がれるとは……)

それは驚きだったが、同時にある考えがよぎる。

――これこそが、皇太子を儲ける“真の力”なのではないか、と。

「……その女は、どこにいるのです?」
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