五妃伝 ~玉座に咲く愛~
「まあ、一度、家に来て話をしよう。」

沈黙を破ったのは、楊家だった。

穏やかに、だが有無を言わせぬ響きを持つ声だった。

「……あんた、この人の親か何か?」

悠蘭が少し警戒した目で尋ねると、楊家は小さく笑った。

「そんなようなものだ。」

玄曜と目を合わせた楊家は、続ける。

「とにかく、明日うちへ来なさい。話すだけでもいい。」

悠蘭は少し黙ったあと、小さく頷いた。

「……分かった。結婚の話も、一応は考えていたし。」

「どうして?」と玄曜が思わず聞いた。

悠蘭は、どこか遠くを見るように答えた。

「商売、うまく行かなくてね。そろそろ潮時かなって。」

その言葉には、冗談めいた響きもあった。
だが、口元の笑みとは裏腹に、どこか寂しげな光がその瞳に宿っていた。

(……守りたい)

玄曜はそう思った。
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