五妃伝 ~玉座に咲く愛~
「……何も言うな。ただ、愛し合うだけでいい。」

彼の指が頬をなぞり、背を抱き寄せ、ゆっくりと体が一つになる。

悠蘭の体は彼の熱を受け入れ、震えるほどに感じていた。

「……ああ……っ」

吐息が零れ、やがて甘く切ない声が夜の静けさに溶けていく。

玄曜はそのすべてを抱きしめるように、深く、優しく愛し続けた。

「あなたは……私の……」

揺れる視線の奥で、悠蘭は言葉を探す。

その唇に、玄曜が静かに口づけしながら答える。

「……ただ一人の夫だよ。」

その夜、ふたりは幾度も想いを交わし、

心と体が、深く深く、ひとつになっていった――。

朝の柔らかな光が、後宮の帳を透かしていた。

悠蘭は静かに目を開け、隣を見た――そこに、玄曜の姿はなかった。

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