五妃伝 ~玉座に咲く愛~
「楊家の……」

名門中の名門、楊家。その令嬢であり、今の天蒼国を支える正妃。

悠蘭は自然と頭を下げた。

「妃として迎えられた貴女と、まずはお顔を合わせておきたいと思って。」

その声に敵意はなかったが、威厳と格の違いが言葉の端々から滲み出ていた。

悠蘭は、自らが踏み入れた世界の大きさを初めて実感する――。

「いつも、すべての妃と顔を合わせられるのですか?」

緊張の中で、悠蘭はそっと問いかけた。

すると瑶華は、微笑みを浮かべながら首を振った。

「いいえ。特別な妃だけよ。」

「……特別?」

その言葉に、悠蘭は戸惑いを隠せなかった。

瑶華は一歩近づくと、柔らかい口調で告げた。

「昨夜、あなたとの初夜の前に――皇帝より伺いました。」

悠蘭の呼吸が浅くなる。
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