五妃伝 ~玉座に咲く愛~
玄曜が、初夜の前に何かを話していたと?

「今回迎えられた妃は、四賢妃のひとり、“賢妃”として遇するようにと。」

その一言が、悠蘭の胸を締めつけた。

まるで、昨夜の出来事が“政治の一手”だったように響いたのだ。

「そんな……」

玄曜の熱い囁きも、優しい抱擁も――

すべては“賢妃に相応しい扱い”のためのものだったのか?

悠蘭は目の前の皇后に、どう返してよいか分からなかった。

「安心なさい。これは誉れ高きことです。」

瑶華の声は、悠蘭の胸に静かに落ちた。

後宮とは、愛だけでは生きていけない世界。

今、悠蘭はその入り口に、立たされたのだった。
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