五妃伝 ~玉座に咲く愛~
気位の高さと自信に満ちたその返答に、沈黙が走った。

「よく言うよ。おまえ、陳亮とできてるくせに。」

次の瞬間、陳亮が立ち上がり、驚く一同の前で冬華の隣にひざまずいた。

「それは、ございません!」

その声には、痛々しいほどの真剣さがあった。

「どうか……どうか、彼女の立場を汲んで頂きたく……!」

冬華は驚きに目を見開いたが、すぐに俯いた。

「他の男に惚れてる女、妃にする意味がわからん。」

玄曜の声は静かだったが、冷たい氷の刃のように場に突き刺さった。

陳亮は黙したまま、拳を握り締める。

「陛下!どうか、もう一度お考え下さい!」

玉座に声が響く。頭を深々と下げたのは、いつも冷静沈着なはずの側近・陳亮だった。

「陳亮。そこまで言う冬華の立場って何?」

玄曜は、玉座から立ち上がり、静かに彼を見下ろす。
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