五妃伝 ~玉座に咲く愛~
すべてが、玄曜の心を捉えて離さなかった。

香風を押し倒し、その上から彼女を見下ろす。

「戦利品か……」

玄曜はぽつりと呟いた。

「いくら美しいとは言え、そう言われるのは……辛いだろうに。」

香風の瞳が、揺れる。

けれど彼女は、強く目を伏せて呟いた。

「……大丈夫です。」

そのたった一言が、余計に玄曜の胸を締め付けた。

傷ついていることを隠し、心を固く閉ざす姿が――愛しく、そして哀しかった。

「皇帝の意のままに……」

その言葉に、玄曜は静かに唇を香風の肌に落とした。

その肌は冷たく、けれど震えていた。

頬から、肩へ。鎖骨に沿って、彼の口づけは慎重に進んでいく。

「……っ」

香風の唇から、小さな吐息がこぼれた。

それは怯えではなかった。

ただ、誰かに優しく触れられることに、あまりにも慣れていなかったのだ。
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