五妃伝 ~玉座に咲く愛~
「昨夜はどうでしたか?」

「どうとは?」

「香風を召したのでしょう? いかがでした?」

玄曜はゆっくりと壺を置き、その指を静かに壺から離した。

「ああ……美しかったよ。」

その言葉に、李将軍の口元がわずかに綻んだ。

「それは何より。連れて帰ってきた甲斐がございました。」

「香風は……抵抗しなかったのか?」

「いえ。何も申しませんでしたよ。素直に従いました。」

まるで、それが当然であるかのように、李将軍は淡々と言い放つ。

香風の微かな震えや、黙って唇を噛みしめていた姿を思い出す。

“壺のように美しい” それは称賛ではなく、彼女の自由が失われていることの象徴のようにも思えた。

玄曜はふと目を伏せ、胸に重いものが残るのを感じた。
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