五妃伝 ~玉座に咲く愛~
「数日の内に、韓王を招いて式を挙げよう。」

香風は、思わず玄曜を見返した。

「本気なのですか?」

その問いに、玄曜はまるで当然のように頷いた。

「ああ。結婚式を挙げなければ、四賢妃にはなれない。」

「四賢妃……?」

香風が戸惑いながら繰り返すと、玄曜はふっと柔らかく微笑んだ。

「朕の大切な人達のことだよ。」

そう言って、玄曜はそっと香風を寝かせ、彼女の額に、頬に、そして唇に優しく口づけた。

そのぬくもりに、香風は思わず目を閉じる。

誰かのものとしてではなく、自分の意志で――

初めて心が、静かにほどけていくのを感じていた。
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