番外編「休日のバーテンダーズ」
「しー、
1冊本借りてくぞー」

立夏が自室のとなりの部屋のドアをそっと開けたら、四季はもう寝ていた。相変わらず今後ろから刺されて倒れたような寝相で。また本に埋まっている。さっき立夏が片付けたのに。
「あら」

ベッドの下に小さなスケッチブックが落ちていた。2Bの小さな鉛筆とともに。
「おまえのほうが絵、上手いと思うよ。俺」

立夏はそう言って四季の髪をさらっと撫で、枕元から1冊文庫本を取りあげる。
「これ俺のじゃん」
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