すべての花へそして君へ①
4-4



 一度、聞いてみたかったんだ。

 自分を通して見ていた誰かのことを、あなたがどう思っていたのか。


 だから、……わかってた。

 自分へ向けられていた好意でないことは。


 ずっと見ていたんだ。

 それくらいはわかる。



 でも、……それでも。


 あなたがきちんと、あいつに気が付いて。

 あいつのことを心から好いてくれて……。


 ……本当によかった。



 今まで、酷いことを彼女にしてきた。

 好いた女性に最低なことをし続けてしまった。


 それでも、彼女はこんな自分をやさしく……そう。

 まるであの時掛けてくれた毛布みたいに。

 そっとやさしく包み込んでくれた。



 やっぱりオレは、そんな彼女が心から好きなんだと。

 そして、あいつのことも大切で仕方ないんだと再認識。

 後者は、正直認識したくもなかったけど。



 けれど。



 あなたの友達にさえなれなかったオレは。

 あいつのおかげで今、こうしていられるから。


 オレにとって二人は。

 本当に大事な人、なんです。




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